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ネギまSS第4話 [ネギま! SS]

少女はミルフィーユを食べてる男に話しかけた。

「その………なんだ、久しぶりだな。」
「もぐもぐ………そうらな……」








少女はブラマンジェを食べてる男に話しかけた。

「まぁ、元気そうで何よりだ………」
「あぁ……もぐもぐ………オ、ウマいな! コレ。」








少女はシュークリームを食べてる男に話しかけた。

「しばらくここにいるんだろ?」
「多分な……はぐはぐ………」








少女はラズベリー・タルトを食べている男に話しかけた。

「オイ ……………………」
「…………………………」







少女はバニラアイスを食べてる男にむかってテーブルを叩きながら叫んだ。

「貴様ァ!! 喋るか食べるかどっちかにしろ! それと茶々丸、お前も次から次へと菓子を運ぶな!!」

だが彼にとってその二者択一に答えを出すのは時間の無駄に他ならない。
男は一瞬の沈黙の後、一心不乱にチョコレートケーキを貪り食った。



「………………………私が……悪かった。」







少女はドーナツを食べてる男に敗北を認めた。





       魔法先生ネギま!~龍の在る景色~

              第四話:福音<エヴァンジェル>







「イヤ、冗談だってば! 機嫌直せよ……ホラ、ケーキ食うか?」
「フン、貴様の目は節穴か? 私は機嫌など損ねてはいないぞ!」

だったら何故目を合わせようとしない、と訊きたかったがヤバいオーラが大放出しまくっているエヴァンジェリンを前にヴォルトはその質問を切り出せなかった。
一触即発とはテーブルを挟んだこの2人のためにある言葉かも知れない。
大体にしてヴォルトの食べるスピードに合わせて次々と運べるだけの菓子を用意してあったのだからこの状況は予想できない訳が無い。
……にもかかわらず予想できてなかったのだから、完全にエヴァンジェリンの誤算だ。
ぬくもりの感じられる木造の家にあり得ないくらいミスマッチな緊迫感に耐えられなくなったのか、エヴァンジェリンは口を開いた。

「………まぁいい、こんな事で時間をふいにしている場合ではなかったな。」

滲み出ていたオーラを何とか50%くらいに抑えながらやっとヴォルトと向き合った。
と言っても、その眼光は泣く子も黙るを通り越して寝た子が泣き出すほどの迫力を秘めていた。

「とりあえず質問は三つだ、一つ目は何故私の前から消えたか、二つ目はあの状況でどうやって鎌を人形に出来たのか、そして三つ目………」

ヴォルトは無言で先を促した。
一呼吸置いてからエヴァンジェリンは続けた。

「何故貴様が今になってここに来た?」
「そうだな、じゃあ一つずつ答えていくか……」

茶々丸の入れた紅茶に大量の砂糖を投入したヴォルトはそれを一口飲んでから彼女に向かい合った。
余談だが流石お茶汲人形の延長線上にあるロボットと言うだけあって、紅茶はヴォルトの舌を満足させるものであった。
ヴォルトに紅茶の心得など無かったが、それでもこの紅茶が上等な物である事位は解る。
だが、立ち込める甘い香りを楽しんでる暇も無く説明に取り掛かった。

「まず一つ目の質問だが……まぁ、話すと長いし急いで伝える内容でもないから要点だけ話そう。あの後俺は『奴』と死闘を繰り広げ、何とか手傷を負わせ退散させた……だが、その代償にかなり厄介な呪いを受けた。」
「呪い………か、それは何となく気付いていたがな。大体にして今のお前の戦闘能力はあの時の十分の一にも満たないからな。」
「それはお互い様だろう?」

その言葉に二人とも皮肉っぽい笑みを浮かべていた。
五百年というブランクを感じさせないほどに二人の息は合っている。

「で? 具体的にはどういう類の呪いなんだ?」
「俺の龍の力を封じられた、ってトコかな。」
「つまり、私の呪いと同じ種類……という事か。」
「イヤ、少し違うな。」

エヴァンジェリンが多少食いつきのいい顔をした。
それを確認してからヴォルトは先を続ける。

「お前の場合は外から強力な力で押さえつけられているが、俺の場合は龍の力そのものを感知できなくなっている。つまり、お前は呪いを解けばそれで済むが、俺の呪いは龍の力を感知できなくした時点で終了だ……早い話が今現在俺に呪いは掛かっていない。」
「それはまた厄介なのを掛けられたな、掛かっていないものを解く事は出来ない………か。呪いと言うよりは能力そのものを奪われたか。」
「あぁ、身体自身の防御力や回復能力とか意識しないでも使える能力は残ってるんだが魔法とかがどうもな……ラジオにノイズがかかってるみたいで上手く使えないし、それに………」

一呼吸置き、コンプレックスを打ち明けるような、半ば開き直ったような笑みでこう言った。

「………空飛べないんだ、今。」
「…………………………」

一瞬場に気まずい沈黙が流れる。
長い沈黙を破ったのはくぐもった笑い声。

「………くっくっく。そうか、それは大層辛いだろうなぁ……くくっ。」
「てめぇ………いつか殺すぞ……」

木製の建物に少女の笑い声が響く。
人間の魔法使いならばともかく、非常に高等な魔族である彼らにとって『空を飛べない』と言う事は想像以上に不名誉なレッテルだ。
放たれる殺気を物ともせず腹を抱えて笑い続けていたが、ひとしきり笑い終えたのかまた真面目な顔をして向かい合った。

「で? そのせいでしばらく姿を消したと。」
「あぁ、それまで生命活動の殆どを龍の力に依存してたからな。その後百年くらいは人間並みの生活すら遅れなかったよ。」
「そうか、この話はこんなものでいいだろう。次に二番目の質問だが………」
「『どうやって鎌を人形にしたか』だったな。」

新たに注がれたコーヒーに砂糖を大さじ三杯とミルクをありったけぶち込んでから口をつけた。
ここまで来ると最早コーヒーなのかカフェオレなのかコーヒー牛乳なのかただの牛乳なのかの判断は付きにくい。
それをヴォルトは糖尿病など何処吹く風、とばかりにその代物をがぶ飲みしている。

「実際その質問は少し間違えてるな、あの鎌は元々人形だったんだ。」

新たに運ばれてきたテーブルの上のアンティーク調の皿に並べられたクッキーに手を伸ばし、一口ほおばる。
焼きたてのほのかに温もりが残るそれは口の中で香ばしい香りで満たした。

「魔法道具の一種でな、呪文を唱えればいつでも変化させられる。」

クッキーを二つ手に持ったヴォルトは席を立ち一枚ほお張りながら部屋の一角に向かった。
そして、部屋の一角にたたずむ動かない人形に向かって話しかけた。

「よぅ、久しぶりだな……って、覚えてねぇか。」
「ア? 誰ダオ前。」

予想通りの返答に満足したのか二枚目のクッキーを口に頬張り、人形の頭に手を伸ばした。
そしてその手を左右に動かす、すなわち頭をなでる。
普通なら愛情表現と取られるその行動も彼女には気に入らなかったらしい。

「オイ、ゴ主人、コイツ殺シテイイカ?」
「やめとけ、一分で燃えるゴミにされるぞ。」

不気味な笑い声を上げる人形を背に、ヴォルトもそれに負けないくらいの笑みを浮かべて席に戻った。

「なんだ、思ったより仲良くやってるじゃないか。」
「かれこれ500年以上も一緒にいればな……で?」

ヴォルトにつられたのか口にクッキーをほお張ったエヴァンジェリンは次の区を告ぐ。

「今更になってご愛用の釜でも取り戻しに来たか?」
「フン、まさか。 ソレはお前にくれてやるさ……さて、そろそろ三つ目の質問に答えるかな。」

この家に来て初めて甘いものから手を離したヴォルトは真剣な顔つきで真っ直ぐにエヴァンジェリンの目を見つめた。

「俺がココに来た理由、それは………」

 

 

~SSあとがき一人語り~

皆さん ボッヒゃ~、ボヒゃまげです。
今回は大分前に更新停止したと思われていながら実はひそかに書き溜めてたネギまSSの……第何話だっけ?
あ、4話だ、4話。
実はこのSSのファイル無くしたと思ってたんですけどネギまSNSの方にお試しで書いてたのを思い出してこぴってきましたw
まぁ、暇を見つけてちょくちょく書いていきますよ~。
待ってる人はいないでしょうがw

てなわけで、また明日~。


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ネギまSS第三話 [ネギま! SS]








そうか………奴が来るか 
あの黒ずくめを最後に見たのはざっと五百年前だな
そんな事を思いながら私は既に耳障りな機会音を発している受話器を元あった場所へと伏せた
私と奴との出会いは…………確か…………

 

 


       魔法先生ネギま!~龍の在る景色~

              第三話:美しすぎた笑顔

 

 

 

時は中世、私はどこぞの金持ちの城に預けられ何不自由なく過ごしていた
だが、そんな生活は無常にも呆気無く崩れ去った
私は、私をこんな姿にした男を殺した
それが自らの力を認める事と解っていたのに

 


それから私は各地を彷徨い歩いた
殆どの土地には五年と留まれず、次の土地へ追放される事を余儀なくされた
それこそが私の体に刻み込まれた見えない十字架
そう、確かあれは十二個目の街を過ぎた時だった
爽やかな風が吹きすさぶ、美しい草原の真ん中で


私は殺された


無論、実際には死んではいないがな
だが相手も殺したつもりだっただろうし、私も死んでもいいと思っていた
このまま無意味に生をむさぼり続けるくらいなら…………と

 

そこに奴が現れた

 

気が付くと私は不意に、失われたはずの五感に熱さを感じた
私がそっと眼を開けてみると回りは既に美しい草原の面影は微塵も無く『ただの』火の海だった

(ここが………地獄か)

私はそう思った
否、どうやら口に出していたらしい
その証拠に突如うずくまっている私の上から声が聞こえた

 

「あー――、悪いけどまだ死んでないぜ、あんた」

 

視線を上に上げるとそこには長髪で全身黒ずくめで鎌を持った男がいた
その背中に生えていた翼は今でも忘れられない
幾重にも重なった白銀に煌く恐ろしい程綺麗な龍の翼

「死………神…………?」

今度ははっきり口に出した
周りは火の海、目の前に翼の生えた黒ずくめ、しかも鎌と来ればむしろその方が自然だっただろう
だがそいつはどうやら私が直々に与えてやったその称号が気に入らなかったらしい

「だーかーらー違うって!」
「じゃあ………誰? って言うかさっきの奴らは!?」

私の問いに男は眩しいほどの爽やかな笑みでこう答えた

「俺が殺した」

あまりにもさらっと言ってのけるので危うく聞き逃す所だった
当時、私とて人を殺した事はあったがここまで爽やかに答える事など到底出来るはずも無かった
しかし唖然としている私を他所に男はさらに続けた

「ちょっと通りかかったんでね、あんたが殺されかけてたから………葬った」
「そんな事はどうでもいい!! 何故お前はそこまで………人を殺して…………」
「『笑っていられるのか?』って?」

この男に最初から感謝の念など抱いていなかったが、それすらを超えて怒りがこみ上げてきた
事も無げに人を殺した事も、その上で笑っている事も、『何故笑っていられるのか』に対し笑って答えたことも

「まぁ、色々あったからな、多くは語りたくないね」

そう言うと男は私に背を向けその場を立ち去ろうとした
だが、そのままその男を逃す私ではない
色々聞きたいこともあったが、何より一発ぶん殴ってやりたいとも思ったからだ

「オイ!………私も…………連れていけ!!」

男は何も言わずただ笑っているだけだった
そこから私と奴との奇妙な旅が始まった

 

 

 

 

それから数十年間奴と旅をした
だが、その中で奴の事で解った事は殆ど無かった
奴が昔話に記されている龍である事、大した魔法は使えない事、炎属性が得意な事、『ゼロ』という名前の大鎌を武器にする事、黒い服を好む事………
精々そのくらいだ
龍から人間になってどのような道を歩んだのか、その事に関しては全くと言っていいほど口を割らなかった
大体にして旅をしている理由さえ明かそうとしなかった男だからな
まぁ、恐らくは私と同じで一定の場所に止まれないからだろうが
そんな関係だったが特に不自由は感じなかった
恐らくは奴の表情のせいだろう
私も六百年近く生きているが、あれに勝る表情はナギかアルビレオぐらいしかお目にかかっていない
どうやら私はこの時から『エニタイム笑顔』に色んな意味で弱かった事を認めざるを得ない

 

 

 

 

「どうした? たった23秒だぞ、せめて一分は持たせろよ」

奴は修行の時も顔に張り付いた薄気味悪い薄ら笑いを剥がそうとはしなかった
それにしても魔法において炎と氷における有利・不利は無いのだが、そのせいにせずにはいられない程奴は強かった
大体にして奴は『魔法の射手』しか放ってこないのだが、強大な魔力故その威力は絶大だ
考えてみれば、ある意味『魔法の射手』は最強の魔法だ
出が早く、一度に何発も撃て、相手を追尾する
さらに唯一の弱点である威力の低さをやつは強大な魔力で補っていた
まぁ、そんな訳で私は奴に一度も勝てないどころか手傷を負わせる事さえ出来なかった

 

 

 

 

「なぁ、おまえってパートナー付けないのか」

ある日奴の薄ら笑いの口からそんな事が飛び出して来た
それはあまりにも愚問だった
永久の生を与えられた私にとって人間のパートナーなど使い捨てにしても程がある
私がそう言うと奴は少し間を空けて続けた

「じゃあ例えば…………人形とかどうよ?」

この言葉が後に私が『人形使い』と呼ばれる所以となる事など、当時の私は知る由も無かった
真剣に悩んでいる私の顔を見て奴がまた笑ったような気がした

 

 

…………だが、そんな旅も長くは続かなかった

 

 

 

 

「くっ…………魔法の射手、氷の十七矢!!」

私は放てられた幾重もの氷の矢が敵の障壁に完膚なきまでに撃墜される様を眺めているしかなかった
突如として現れた薄汚いローブをまとったその男は怪しげな魔法具で奴の動きを止めると、死んだ魚を見るような目を私に向けながら近づいてきた
当時の私如きの力では無駄に魔力を消費するだけでその男の進行を遮る事すら出来なかった
後ろは崖、前には強敵、助っ人は無し、まさに絵に描いた様な絶体絶命だ

「エ…………エヴァ、逃げ………………ろっ」

横でひれ伏しながら情けない声で必死にエスケープを促してくれる奴には悪いが、逃げたところで逃げ切れる相手ではない事は火を見るより明らかだった
しかもタチの悪い事にどうやら敵の狙いは私一人だったらしい
その証拠に当時かなりの賞金がその首に掛かっているにもかかわらず、横で無防備全開のどこぞの龍には目もくれなかった
恐らく私の吸血鬼の能力に興味があったのだろう
だが、そんな事はどうでも良かった
その時の一番の問題は私の魔力が底を尽きかけているという事実だ
次第に足元がおぼつかなくなり、目の前も霞んできた
そう思った瞬間、目の前の光景が漆黒の闇に包まれた
だが、よくよく見てみるとそれは単なるブラック・アウトでは無い事に気がついた

「ヨッ……遅く…………なったな
  俺様が来たからには……もう大丈夫だ」

それは奴の漆い後姿だった事に気づいたのはしばらく経った後だった
どうやら奴はあの強力な魔法結界を力ずくで破ったらしい
常日頃私があれ程口をすっぱくして忠告した『補助系の魔法も覚えろ』の言葉を再三に渡り無視し続けたツケがここに来て廻って来たようだ
内心『イイ気味だ』と思っていたのだが、そんな事を言えば奴は瀕死の私を置き去りにして遥か上空へエスケープしそうな勢いだったので私はその言葉を噛み殺した

「エヴァ、ここで一つ相談なんだが………」
「…………」

私は無言で続きを促した
こんな余裕の無い状況での相談なのだから、よほど緊急の用事なのだろう
そんな余裕の無い状況下でも離れようとしない薄ら笑いを浮かべた口が発した言葉は思いもよらない物だった

「人形使い、ってどうよ?」
「……………はぁ!?」
「イヤ、だから人形使いだって」

とりあえず一発ぶん殴ってやろうと思ったのは言うまでも無いだろう
だが、私の握り締められ、全魔力を充填させた拳を止めたのは奴の初めて見せるかもしれない真剣な顔だった
その気持ち悪い真顔を私に向けながら奴は三頭身弱の緑髪の人形を私に押し付けてきた

「それを持って逃げろ」
「オイ、何のつもりだ!! 私はまだ…………」
「いいから………逃げろっつってんだろッ!!」

その時、奴の両手が手持ち無沙汰なのに気が付いた
愛用の大鎌『ゼロ』が忽然としてその銀に煌く姿を消していたのだ

「まさかこの人形、お前の鎌……………」

私が言い切る前に奴はまた後ろを向き突然私を崖の下に向かってゆっくりと押した
そのショックと魔力切れで私が気を失う直前に私の鼓膜に声が響いた気がした

「じゃあな………人形、大事にしろよ」

 

 

 

 

その後どれ程眠っていただろう
目を覚まし、崖の上に飛んで行くとそこには何も無かった
敵の姿も、奴の姿も、気配も、鬱蒼と生い茂っていた筈の草木も、無秩序に転がっていた岩も、生命の息吹すらも
そう、『何も無かった』
何故私を突然突き放したのか理解できなかった
途方も無い驚きと絶望感が私を魂の抜けた人形にし、そこに立ち尽くさせていた
私の身を守ってくれたのは解るが、それなら戦いが終わった後で迎えに来るなりあったのではないか
となればやはり先程の戦闘で………

私が絶望に打ちひしがれていると今更ながら自分の腕に抱かれている人形に気付いた
形見、私がそれを見て思い浮かぶ単語はそれしかなかった

「人形使い………か」

遺言とも取れるその言葉は総てが消え失せた焼け野原に虚しく消えていった
気持ちが落ち着くまで私はたっぷりと時間を消費し、その後『儀式』を行った
ゆっくりと近づく私と人形の唇
重なった唇から光が溢れる
私の心情とは恐ろしくかけ離れた幻想的な光が満ち溢れた
その光が消えると人形の目が開き、口も開き………

「…………オ前誰ダ?」

第一声がそれだった
お互い初対面なのだから当然と言えば当然なのだが何故か腹の奥底に煮えたぎる何かがあったのは事実だ
第一可愛げが無い、まぁ私が言えた事ではないがな
その後数時間を要し、現在の状況を説明してやった事は完全に蛇足なので多くは語るまい
とにもかくにも私の従者だという自覚はあるようで命令もある程度聴いたし、戦ってもくれた事はやはり評価に値すると言わざるを得ない
幾分か冷静なった私はその後、修行と放浪の旅に身を投じた

 

 

 

 

その後の事を話すと、まずは生きていくために必要不可欠な術、幻術を身に着けた
私とて無用の争いに興味は無かったし、第一メンドイからやりたくは無かった
さらに今の私にしてみれば考えられないが、図書館に行って勉強もした
無論、公には明らかにされていない魔法専用の図書館だ
意外な事に、私の求めた強力な攻撃呪文はあっさりと私の手中に納まった
実際、実用的な殺人魔法は禁書扱いになっていたのだが、最早伝説と化しているような魔法は誰も使えないだろうと高をくくったのかも知れない
良くも悪くもそのおかげで私は6,000,000$もの金が懸かるほどの悪の魔法使いになれたわけだ
その後、ナギと出会い、今私はここにいる
十年以上慣れ親しんだこのログハウスに客人を招くのは本当に久しぶりだ
大分前にタカミチが来た時以来かも知れん
ハカセは………まぁ、客ではないな
そんな私の思考を軽快なノック音がさえぎった

「……茶々丸」
「ハイ、マスター」

名前を呼んだだけでその意味を汲み取った私の忠実な従者はドアに向かっていった
奴が来たという証拠はない、だが何故か私にはそれが確信できた
――あの扉の向こうにはあの薄笑いが待っている、と
茶々丸がドアノブに手を掛け木製の厚い扉を開けたとき、私の確信が証明された
私の記憶と寸分違わない笑みを浮かべているその男は開口一番にこう言い放った

「ヘヘッ、俺様降臨っと」

 

 

 

~SS後学座談会~

ボ:皆さん ボッヒゃ~、ボヒゃまげです
   気付いたら日曜模試だったのに全然勉強してない今日この頃、皆さん如何お過ごしでしょうか

エ:フン、ボッヒゃ~……エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ
   と言う事は何か? それは茶々丸の絵が出来てない事への言い訳か?
   つまりこのSSでその失態から他の奴らの目をそらさせようと言う魂胆だな

イヤ、まぁ………そうとも言います
それはそれとしてやっと、と言うかとうとうネギまっぽい話になってきましたね
  
第三話にもなっておいて未だに原作のメインキャラが私と茶々丸しか出てないのはかなり問題だと思うがな
 他のネギまSSだったら遅くても第三話くらいには例の卒業証書授与のシーンがあるだろう
 
う………相変わらず痛いトコ突きますね
 でも多分次回もネギ出ないかな~、なんて予想が立ってますが

予想って、作者は貴様だろ
 ………まぁいい、それより第一話はヴォルトの一人称・二話は三人称・今回は私の一人喋り
 少しは統一感ってモノを重視したらどうだ

それについてあまり語るとネタバレになるのですが………
 このSSのテーマは『ネギまの裏』なので色んな人物にスポットを当てるつもりです
 
ほぅ……と言う事は色々な人物に裏がある、と言う事か?

まぁ、その辺は今はノーコメントでお願いします
  それから感想もお待ちしてますのでダメ出し等ありましたらお願いします

ボ&:てなわけで、次回もお楽しみに~


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ネギまSS第二話公開 [ネギま! SS]

 

 

見渡す限りの広大な荒野
草木は生えてなく、生命の息吹は感じられない
ただ、無機質な岩がその場を支配していた

はずだった

だが、今ここを支配しているのは人とは呼べぬ物達、すなわち魔物
それらはどこからとも無く無数に送り込まれていた
恐らく当の本人達も何故ここにいるのか解っていないのだろう
彼らに在るのは只一つ………殺気

 

 


       魔法先生ネギま!~龍の在る景色~

              第二話:急ぎの仕事

 

 

 

そんな地獄絵図を見渡せる小高い丘に『彼』はいた
身長は160半ば、黒い革のロングコートを着ている
しかし、何より印象的なのはその羽織っているコートの黒より遥かに『漆い』髪と眼だった
肩程まで伸びたその髪をかき上げると、先程から甲高い声で持ち主を呼び続けている携帯電話を手に取った

「こちらヴォルト、現場に着いたぜ」

ヴォルトと名乗ったその青年は眼下に広がる光景を見下ろしながら携帯の通話ボタンを押した

「それではとっとと始めて下さい、長期休暇を認める代わりに溜まってる仕事、全部片付ける約束でしたよね」

応えたのは女性の声だった
否、女性と言うよりは少女のそれに近い

「だからって、こんなに多いとは聞いてないぜ」
「まさか、長期休暇中の分の量が入っていないとでもお思いですか?」

電話の声は丁寧な口調ではあったが明らかに怒りが込められていた
無論彼もそれは感づいている
だが、電話の向こうの少女を怒らせるといくら社内で最強と言われている彼でさえ一たまりも無い
と、言っても彼は彼女の顔すら知らないのだが

「分かった、分かりました! 全部片付ければいいんだろ?」
「分かって下されば結構です、そう言えばこの後の予定ですが、一時間早まりましたから」

そう言われて彼は自らの左手の時計に目を向けた
その場に流れる一瞬の沈黙
時計の文字盤が指し示している時刻と元の予定時間から一時間引いた時刻とを結びつける

「やっべ!! あと一時間しかねぇじゃん! ちょっと、これ全部で何体いる?」
「ざっと五千体でしょうか、世界中の社員に強制転移魔法で送ってもらいましたからね…………って、もしもし?」

手に握られていた携帯は既にポケットの中にしまわれ、彼は再び地獄絵図を見下ろしていた
直後、コートの肩甲骨部分がうごめき出す
そのコートの繊維が徐々に分解し始め、露出される肩甲骨の肌
地獄絵図の中心に飛び込んだ彼から生えてきたそれは人の体には不釣合いな代物

「さぁ、Let's Party!!」

急降下した彼の背中に在るもの―――それは、龍の翼

 

 

 

 


 「ヴィル・ヘル ヴァ・ルハル ヴォルティクス」

彼は自らの『始動キー』を唱えた
言葉の鍵によって解き放たれた力が彼の周囲を飛び交う

 「炎の精霊287頭 集い来たりて敵を焼け………魔法の射手 炎の287矢!!」

彼の魔力が大気を燃やし、その炎が敵へと向かっていく
降り注ぐ炎の雨が敵を貫いてゆく
矢に貫かれる者、炎に焼かれる者、自らの死にすら気付かぬ者
それらを焼いた炎は地面を燃やし、尚消えることは無い
そんな地獄絵図にさらに磨きをかけた張本人がその中心へと降り立った


「とりあえず俺様降臨っと」

不適な、しかしそれでいて何処か爽やかな笑みを浮かべている彼は周りを見て呟いた
一気に加速した彼はその雑踏の中に自らの身を投じた
魔の物を狩るその姿は周りの炎とあいまって龍と言うよりもむしろ鬼神と言うに近い
しかし、荒々しくもその殺戮は美しき舞の様でもあった
決して止まる事無く、流れる様な殺戮
血が舞い肉が跳ぶ『それ』を彼は不気味なほど爽やかな笑みを浮かべながら楽しんでいた

「あと五十分で二千体か…………」

そう呟きながらも彼は攻撃の手を緩めることは無かった
否、むしろ体が戦いを憶えているかのようだった
それはまるで幾百年もの時間をかけて染み込ませた舞
しかし、彼の舞を満足させるには今回のダンスパートナーは少々役不足だった

「死ぬ気で来い、じゃねぇと殺すぞォ!!」

彼の誘いに対してもパートナー達はそのパラドックスの矛盾に気付く間もなく舞の舞台からの降板を余儀なくされた
そうしていく内に相手の数は見る見るうちに減って行き、遂には100体前後になっていた

 

 

 

「若造、調子に乗っているようだがそうは行かんぞ」

突如、予定外の参入者が彼の舞を止めた
銃のような武器を抱えた赤く巨大な魔物
その目は標的を捉え、殺意に満ちていた
口は大きく裂かれ、そこには敵を食らわんとする牙が規則正しさとは無縁の配列で並んでいた

「ほぉ……その魔力、Sクラスの魔物か
  やっと手応えがありそうな奴が来たな」
「そんな事を言っていられるのも今の内だぞ、若造」
「そいつぁ面白い、存分に楽しませてくれよ」

直後、銃口が彼に向いていた
そのまま引き金を引けば間違いなく頭部に命中するだろう
しかし、彼は微動だにせず、むしろ笑みを浮かべている
無論、恐怖ではなく自信の表れだ
だが、この程度のハッタリ合戦は戦場ではよく在る事、双方全く気にしていない
突如彼は魔物に尋ねた

「ところで、あんた何歳だ?」

戦場の会話にしても、もしくは世間話ですら見ず知らずの相手には突然訊かないであろう質問
その質問が気に食わなかったのか顔をしかめる魔物
だがしかし、すぐにその人間とは大きくかけ離れた顔に不敵な笑みを浮かべて

「何を突然………まぁいい、聞いてせいぜい腰を抜かすがいい……ざっと三百歳だ」

律儀に答えた
魔物としてはこの答えで相手が恐怖する姿を楽しむつもりだった
……が、それを聞いた彼は鼻で笑うとその笑いを絶やす事無く構えた

「へぇ、それじゃそろそろ行くぜ……………『若造』!!」

瞬間、彼は眼の前にいた
魔物は驚き、彼の頭があったはずの場所に照準を合わせたまま、発砲
その渇いた音が撃った本人に届くよりも前に彼の指の先に伸びる凶器が銃を持った腕を二分した

流れ出る赤い血

地に堕ちた腕

鼓膜を突き破る様な悲鳴


「……ったく、うっせぇなぁ
  腕の一本や二本や三本で何をそんなに」
「き……貴様ぁ!! よくも、よくもぉぉ!!!」

恐怖と痛みによる絶叫が乾いた空気に響く
銃を失ったその魔物は片腕の腕力で彼を倒そうと向かっていった
彼は軽蔑した目で魔物を見ながらその言葉で『鍵』を紡いだ
解き放たれ、開放された力は彼の周りだけで無く、周囲を巻き込み渦となった

「もうちょっと楽しんでたかったんだが………面倒だ、一気に行くぜ」

その言葉を残すと彼は自分のバイクが置いてある真後ろの小高い丘へと駆けていった
縮地と呼ばれる移動手段を用いる彼にとってそこにたどり着くまで三秒と掛からなかったのだが

 「来たれ焔精 闇の精」

目標を魔物へと定めさらに続ける、それらを無に帰すためのレクイエムを

 「闇を従え 燃え盛れ 常夜の火焔」

そして
 
 「闇の劫火ッ!!」

放った

 

 

 

「確かに被害を気にしなくていいとは言いましたが、そこまでやれと言った憶えはありませんよ」

彼が再び取った携帯から聞こえる言葉には先程よりも静かな、だが深い怒りが込められていた
そして彼はその言葉を、既に風景を元の姿へと戻した街の真ん中で聞き流していた

「だからってイキナリ空間を元に戻す事は無いと思うんだが……」
「空間湾曲の設定時間を言う前に電話を切ったあなたの責任です」
「あのままバトルフィールドごとペシャンコにでもなったらどうするつもりだったんだよ」
「ちゃんとその前にフェンリルで空間の外に出たのだから問題ないでしょう? それよりもうすぐ約束の時間ですよ」

先程まで魔物を圧倒していた彼は口喧嘩の敗北を早々に認めると約束の場所へと再びバイクを走らせた

 

 

 

着いた場所は何処にでもある公園の何処にでもあるベンチ
周りには緑が生い茂り、先程までの地獄絵図とは比較にならないほど生命に満ち溢れていた
そこに腰掛けると視線を向けずに語りかけた

「そこにいるんだろ? ジィさん」
「ふぉっふぉっふぉ……流石じゃの、ヴォルト」

そこに現れたのは後頭部が異様なほどに発達した老人だった
その老人はゆっくりと彼の隣に腰掛けた

「真帆良学園学園長兼関東魔法協会会長か……いつぞやの坊主も偉くなったもんだな、ジィさん」
「ワシより年上のくせに『ジィさん』は無いじゃろうて」
「そういう台詞は俺みたいに不死体になるか、幻術を使ってからほざくんだな」

互いに悪口を言い合うが不思議な事に二人とも笑っていた
これも旧知の仲がなせる業だ
しかし突如彼の顔から笑みが半減した

「ところで、例の件は?」
「無論、計画通り……イヤ、計画以上というべきかの」
「それはそれは、心強いな」
「何しろ、100年越しの計画じゃからのぉ……」

話に一段落着くと、老人は立ち上がり、彼もそれにつられる様に立ち上がった

「では、そろそろ行くかの」

二人は人目の無い茂みに隠れた
老人が言葉の『鍵』を紡ぎ、『扉』を開こうとした
しかし、それが終わる前に彼の言葉がさえぎった

「あ……その前に電話していいか?」
「ん、構わんがあまり長くならんようにな」

彼は身振りで応えながら携帯に番号を打ち込んだ
しばし流れるコール音
その音が相手を呼ぶ中、彼は柄にも無く緊張していた
彼がその理由の考察に思考を向けかけた瞬間、コール音が途切れる

「もしもし、あぁ……アンタが茶々丸さん? 話は聞いてるぜ
  そう、俺だ、ヴォルト・H ・メイゲンだ」

電話に応えたのは若干予想外の人物だったが構わず彼は続けた
 
「……………エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルに代わってくれ」

 

 

 

~SSあとがき座談会~

ボ:皆さん ボッヒゃ~、ボヒゃまげです
   『ぱにぽに9巻』限定版に付いてきたおまけが思いのほか豪華だった事にかなり驚いている今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか

ヴォ:ボッヒゃ~、ヴォルト・H・メイゲン………ってまた俺かよ!

しょうがないじゃないですか、この話でもまだメインキャラがあなた以外出てきてないんですから

だったらジィさんを呼べばいいだろ、ジィさんを

だって~、出てきても話す事無いじゃないですか、あの人と

ま、そりゃそうだが………だからって二回連続で俺が出たからって話す事無いぞ?

じゃあ次回予告でもしましょうか
  次回はエヴァが登場(予定)で、エヴァの回想話になります

(予定)って何だよ………

エヴァの過去に何があったのか? ヴォルトとの関係は?
  手に汗握る第三話『美しすぎた笑顔(予定)』請うご期待!

だから(予定)って何だよ
  とにかく次回の座談会は俺じゃないって事だな

ハイ、次回はエヴァ(予定)ですから♪

………………わざとか?

ボ&ヴォ:てなわけで、次回もお楽しみに~


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ネギまSS第一話公開 [ネギま! SS]

 

 

 

昔々、ある所に悪い龍がいました。

 


突然現れたその龍は村々を襲ってたくさんの人を殺しました。

村の人たちはとても困ったので龍を倒せる魔法使いを探しました。

そんな時、ある魔法使いが現れました。

その魔法使いは名前をヴォルトと言って、とても黒い髪をしていました。

ヴォルトは村の人達の頼みを聞いて龍を倒しに行きました。

 

旅の果てにヴォルトは龍の巣にたどり着きました。

そこにいたのはとても大きな銀色の龍でした。

それでもヴォルトは恐れずに、


  「貴様が村の人達を困らせている龍か! 覚悟!!」


と言うとヴォルトは龍に向かって攻撃しました。

ですが、龍にはまったく利きません。

いきなり龍が火を噴きました。

その火に当たったヴォルトはケガをして動けなくなってしまいました。


  「こうなったら奥の手だ!」


そう言うとヴォルトは呪文を唱え始めました。

その間も龍は火を吹きましたがヴォルトは微動だにしません。

呪文を唱え終わるとヴォルトの体が黒く光りだしました。

すると突然龍がヴォルトに引き寄せられていきます。

龍は必死に絶えましたがどんどん引き寄せられて、とうとうヴォルトの体の中に吸い込まれてしまいました。

そうして龍はヴォルトによって倒されました。

その後、ヴォルトは村の人達といつまでも幸せに暮らしました。

 

 


       魔法先生ネギま!~龍の在る景色~

              第一話:ある昔の話

 

 

 

「……………フッ、未だこんな話が残ってるとはな」

時は2003年、場所はアメリカのしょぼい本屋の中
俺は呟くと共に『読んだ本は元の場所に戻しましょう』の注意書きに律儀に従い絵本を本棚に戻した
そんなとってつけの律儀さを無駄に発揮しつつ本屋を出ると表に停めてある漆黒のバイク―フェンリル―に乗り込んだ
ちなみに言っておくがバイクから無数の剣が出たりとかそんな豪勢な機能を付けてもらえるほど俺の立場は高くない
本来なら飛んでいけば速いのだが、あいにく俺に課せられた『呪い』がそれを許そう筈も無く、俺は大人しくバイクのキーを回すほか無いのであった
今日の仕事場は町のど真ん中、と言ってもそれに気付く人間は一人もいないだろうがな
そんな事を考えながら俺―ヴォルト・H・メイゲン―は漆い狼にまたがり走り出した

 

 

 

言い忘れたが、さっきの昔話には若干間違いがある
殆どあっていたが最後の一行のみがまったくのウソだ
そう………あの時、人間『ヴォルト・H・メイゲン』は死んだ
ここで長々と身の上話をする時間は無いし、する気も無いので、いずれ時間とやる気が絶妙なハーモニーを奏でた時にでも話してやらない事も無い
とりあえず今の俺の状況を表すのに最も具体的、かつ理想的な単語は一つしかない

       時間が無い

飲み物を買うためだけに立ち寄った本屋で予定外の時間を大幅に削ってしまった事を後悔している事は言うまでも無いだろう
まぁ、そもそも予定より一時間遅れで出発したのだから弁解の余地はないがな
そんな訳でバイクに認識阻害魔法が掛けられているのをいい事に俺は昨日見たハリウッド映画の主人公の如くハイウェイを疾走している
次々に迫り来る車の後姿をその直後には遥か後方に追いやる程のスピード、それは普通のバイクであれば既に限界を突破していた
しかしこのフェンリルをそこらのバイクや、F1カーや、ジェット機や、宇宙戦艦と一緒にしてもらっては困る
ウチの会社の総力を結集して作られたコレは速度・加速・コーナリング・ブレーキング・見た目・その他において地球上の総ての乗り物を超越している
……………と、言われたからそうなのだろう、多分
第一、目の前で針を振り切れんばかりに回転しているタコメーターに500kmの文字が燦然と輝いている時点でこれが普通の乗り物ではない事は明らかだ
時速500kmって事は秒速に直したら500÷60÷60=0.1388888…………で約140m/秒だ
そんなスピードで俺はこの国がノンヘルOKな事に心からの感謝の意を込め、自慢の黒髪をなびかせていた

 

 

 

この世に存在するであろう総ての道路交通法を完全に無視しまくったであろう走りのおかげで予定より三十分遅刻しただけで着いたのは奇跡という物に他ならない
やはり『扉』ぐらいは使えるようになった方がいいか


    ―――オイ、貴様  少しは補助魔法も覚えたらどうだ?―――


突然、俺の脳裏に金髪の少女の記憶が蘇る
これから会う予定があるからだろうか、昨日の夢にまで出てきやがったその少女はそれだけ言って俺の脳裏から姿を消した
その姿を追おうとも思ったのだが………まぁいい
どうせすぐに合えるんだからな
気持ちを切り替え、バイクから降りたのは小高い崖の上だった
周りは赤茶けた岩と『先客』で覆われている
そう、ここはつい30分前まで街のど真ん中だった場所
そして今は、俺のバトル・フィールドとその姿を変えている
『空間湾曲によるバトル・フィールドの形成』、という代物らしいが俺にはさっぱり解らない
とにかく、ここなら人目や被害を気にせず戦える事だけ解ってれば十分だ
どうやらウチの会社の新入社員にスゴイのがいる、って噂は本当らしい
視線を崖の下に移すと『先客』が俺の事を声を挙げて呼んでいる、殺意のこもった最早言葉とは取れないうめき声で
今回はコイツらと踊るのが俺の仕事だ
人の形とは遠くかけ離れた『先客』達が再び俺を呼んだ、どうやら俺待ちらしい
やれやれ、コレだから人気者は困るぜ
お呼びに応える前に俺は黒革のスケジュール帳を開き、今日の日付の欄に書かれている一行を目に焼き付けた

『ダンスパーティーの後、麻帆良学園』

 

 

 

~SSあとがき座談会~

ボ:皆さん ボッヒゃ~、ボヒゃまげです 
   本日ゲーマーズに行ったら男性店員までコスプレしてた今日この頃、皆さん如何お過ごしでしょうか

ヴォ:ボッヒゃ~、ヴォルト・H・メイゲン様だ

ハイ、とうとう始まりましたよネギまSS第一話!!
  長かったですね~、ここまで来るのに

企画段階から言えばもう半年以上経ってんじゃねーか?
  ってゆーか、細かい設定とかまだ決まってないんだろ、大丈夫なのかよ

う………毎度ながらソコを突かれると痛いデス
  でも懐かしいですね~、SSあとがき座談会

数騎のトコに送ってた時以来だからな、一年以上経つのか

次回の予定は未定ですが恐らく次回も何の前触れも無く載せると思うのでよろしくお願いします

てか、今回もイキナリだったな

ボ&ヴォ:てなわけで、次回もお楽しみに~


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SS中間報告2 [ネギま! SS]

皆さん ボッヒゃ~、ボヒゃまげです
凄くいい夢を見た気がするのにまったく思い出せない今日この頃、皆さん如何お過ごしでしょうか

今日もSSの話です
前回紹介したヴォルトですが、実はもう一つの顔があります
ここから先は軽くネタバレなので見たい方だけどうぞ

 

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SS中間報告 [ネギま! SS]

皆さん ボッヒゃ~、ボヒゃまげです
プラモを買いすぎて作ったはいいけど一つとして完璧に仕上げてない事に気付いた今日この頃、皆さん如何お過ごしでしょうか

いや~、ハルヒのSSって難しいね~
δさんから『長×キョン』を依頼されて早二日
全体的なストーリーすら決まってません、ど~しよ~w
とりあえず何にでも使えそうな前書きは書きましたがその後がさっぱり………
現在は原作を読みふけって頭をキョン化している最中です
ですが、一度書くと決めたからには必ず書きますので気長に待っててください

一方、ネギまのSSですが、こっちは割りと順調です
まぁ、こっちは大分前から構想を練ってたので楽に進んでます
実際に載せるのはまだ先だと思いますが今日はオリジナルキャラの紹介でも
小説のオリジナルキャラについてはこのブログで以前散々言ってきましたが、知らない方もいると思いますのでもう一度復習です

名前:ヴォルト・H(ハー)・メイゲン
立ち位置:主人公
好きなもの:甘いもの(特にショートケーキ)、戦い、妹属性、黒い色
嫌いなもの:野菜全般、めんどくさい事、勉強、流れを乱される事
属性:焔
特徴:黒髪で長髪、鋭い目
備考:龍、約千歳、エヴァの古い友人

ボヒゃまげの古い友人なんかは気付いてるでしょうが、モチーフはボヒゃまげ本人です
名前も似せたつもりです(Hを『ハー』と読ませるためだけに実はドイツ人なんて裏設定もあります)
一応、イメージイラストを描いてみたので載せておきます


   


そこ、似てないとか言わないw
髪型は結構似せたつもりです、少しばかり長くしましたが
特に左目にかかってるとことか

次回は更なる秘密なんかも暴けるかも
ぶっちゃけネタバレなんですけどねw

てなわけで、また明日~


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